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西村社長のコラム100
Angelo's BLOG

 

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以前ヨーロッパで滞在していた頃に目覚めた日本の素晴らしさを、何とか国内外に伝えたいという思いから2007年、日本プロジェクトをスタートさせた。日本庭園と情緒ある風情の建物を併せ持った、芝公園の「とうふ屋うかい」でその立ち上げのパーティを開き、日本文化に拘わる方達やマスコミの方々をお招きした。丁度その頃、著名な彫刻家であると同時に日本の仏像修復の第一人者である藪内佐斗司氏(奈良遷都1300年のセントくんの作者)と親しくなり、氏が仏像修復を教授として教えている東京芸術大学の方々とも知り合うことになる。丁度2007年が東京芸術大学の創立120周年で、1年間を通じ芸大の創立者でもある岡倉天心氏のイベントを色々行ったのだが、その120周年記念行事の広報事務局として当社が活動することになった。 岡倉天心氏もやはり日本の文化を海外に伝えるべく腐心された方なので、我々のプロジェクトの方向性とも合致していたこともお引き受けした大きな理由であった。

老舗の仏壇および仏具一般の「お仏壇のはせがわ」の東京本社(銀座)の店舗認知度の強化の為に、企業の信頼性を高める文化的なイベントを提案した。4月8日の花祭り行事にむけて、1週間の店頭キャンペーンを実施し「日本のこころ匠」というキャンペーンテーマを掲げ、日本文化への啓蒙を支援する企業=はせがわという視点を重視した展開のイベントを行った。広範囲の消費者に認知をしてもらう為には一企業のPRのみを行うのでは無く、社会的な視点にフォーカスした店頭誘致が必要であると考えた。「日本のこころ匠」として4人の匠達を取り上げ、製作風景を撮影し、日本の伝統工芸の素晴らしさをアピールし、フリーの新規顧客の獲得を図り、DM作成、店舗キャンペーンのデイスプレイデザイン、製作・設置など総合的なプロデユースを行った。長谷川会長はこうした文化的なイベントに大変造詣が深く、日本人のオペラ歌手中丸三千繪さんも後援、サポートされており、先日も中丸三千繪さんの素晴らしい歌声を堪能させていただいた。

元プロ野球の西武ライオンズの選手、監督であった伊東勤氏とはお互いの子供達が小学校からの同級生、同クラスだったこともあり、個人的にも大変仲良くなり、旅行、食事、カラオケなどにも頻繁に出かけた。開幕戦の試合前に子供達と共にベンチに入れてもらい、普通では味わえない経験もさせてもらうことが出来た。その伊東氏がライオンズ の監督を辞めた後、WBCのヘッドコーチを経て今年まで韓国の斗山でヘッドコーチに就任し、来年から又ロッテマリーンズの監督として日本球界に復帰するが、監督を辞め韓国に行くまでの間、一新コマースで彼の講演会マネージメントをやらせてもらった。彼の捕手という立場での現役時代の皆の生かし方、監督として1年目で日本一になった管理術、部下掌握術、リーダーシップ術といったものは、現代の企業の中でも非常に役立つことも多く、特に企業人が多く集まる場所での講演会は非常に盛況で、沢山の方々が集まった。話しは硬いものだけで無く、松坂の入団時のエピソード、本人の監督を辞める際のエピソードなども含め、非常に楽しい講演であった。

現在は、本業としての時計業務からは離れたが、時計に関しては、比較的定価の安い時計を扱っている。卸業務とWEB販売は、オーストリアのジャック・ルマン、デンマークのコプハといった1万円台から5万円の価格帯が中心の時計と、以前も紹介したイタリアのI.T.A.の時計も卸業務と自社ショップでの販売をしている。ジャック・ルマンはサッカーのUEFAチャンピオンズリーグのオフィシャル時計を作っていたり、2011年まではF1のオフィシャル時計も製作していたメーカーで、同じオーストリアのスワロフスキーを取り巻きながらも1万円台と非常に安価な女性物の時計もコレクションの中に含まれている。コプハはデンマークのコペンハーゲンを本拠地に、北欧らしいシンプルなデザインが特徴なものと、カラフルでポップなものが用意されている。日本のTVドラマ等で俳優、女優も多く手に付けており、雑誌等への露出も含め、積極的な展開をしているブランドである。

 

 


現在はIT関連のビジネスも展開しており、iPhoneやiPadといったiOS機器用のカタログアプリを無料で製作している。これは企業の商品やブランドのカタログをアプリの形で作り、AppStoreからユーザーに自由にダウンロードしてもらえる様にしたもので、カタログの製作、管理、更新、AppleのAppStoreへの登録を一切無料で行い、ユーザーが無料でカタログをダウンロードしたら、1ダウンロードにつき100円をカタログアプリを出している企業に請求するという新しい試みの事業も始めている。これは当社のトップページに「AMITY」という形でアミティショップのカタログがダウンロード出来るサンプルがあるので、興味があれば是非見てもらいたい。WEBページの製作自体も非常に安価にデザインの良い物を作ることが出来る様、外部スタッフも充実させ、新しい事業としてスタートさせている。  

時計や宝飾、ブランドバックを購入したり、プレゼントされたりしても、その内あまり使わなくなり、結局机の引き出しや金庫に入れっぱなしになってしまっているアイテムが多く存在する。その持主がその商品を売ろうとする場合、ヤフオク等のWEBオークションに出すか、買取専門店等に持ち込むしか方法がない。WEBオークションは写真撮りなど面倒で、落札者がどんな人か判らない不安があり、買取店に持ち込むことには抵抗がある人が非常に多い。古物商の免許を持ち、毎月行われているビジネスオークションへの出展の権利も有している事から、ユーザーから商品をお預かりして、そのオークションで現金化するお手伝いをしている。余程安い品物以外は最低落札価格を指定できるので、それに届かなかった場合は手元に戻ってくるだけで、出店料等も掛からない。ユーザーは外部に一切名前等を露出することなく、家に居ながら使わなくなった商品の現金化が出来ることは魅力的ではないだろうか。

ホテルニューオータニ内のショップはクローズしたが、WEB SHOPとしてAMITYの名前は存続させ、I.T.A.、ジャック ルマン、コプハの時計、アメリカのカリフォルニア生まれの ペット用のキャリングケースの販売、iPhone、iPad関連の種々の雑貨、車のバケットシー ト型のパソコンチェアやデスクなどを始め、種々の商品の販売をしている。時計の三ブランドに関しては同時に卸し業務もしており、特にジャック ルマン、コプハに関してはメーカーも小回りが効くことも有り、企業特注の特別製作なども提案している。自分たちの業務として取り組んでいるカタログアプリはAMITY WEB SHOP用の物を用意し、このホームページのトップからAppStore経由で無料ダウンロードする事が出来、実際の WEB SHOPの広報、販促グッズとしてだけでなく、カタログアプリの説明用の生きたサンプ ルとして活用している。

今、海外で日本食がブームである。アメリカでも、欧州でも、アジアでも健康というキーワードからヘルシーな和食という取り上げられ方で、日本食レストランの数も私が欧州に滞在していた時期とは比べられない程増えているだろう。ただ、今の日本食ブームは外食としての日本食ブームで有り、ブームで有る以上、終わってしまう可能性もあるし、外国の日本食レストランでは、どう見ても日本食でないものが日本食として堂々とメニューに載っている。僕自身が出来るかどうかは別としても、自分の中の夢としてあるのが、欧米の家庭に普通に和食が入り込むことである。イタリアのパスタが世界中で普通に家庭で食べられているように、日本の健康的な和食が、外食では無く家庭の食事として作られ、食べられるようになって欲しい。この事は、料理を教えること、和食器を使って貰うことにも結びつき、日本の文化の欧米進出の一翼を担えるのではないだろうか。

日本の教育でどうしても納得いかないのが、全員をジェネラリストにしようとしていることで、スペシャリストを排除するような教育が平気で行われている。公立ではある程度は致し方ない部分もあるにしても、私立でも同じように、成績表に落第点の科目が幾つかあると、即留年、更には外に出されてしまう。アインシュタインやエジソンは全ての教科で良い成績だった生徒では無いだろう。ある教科には突出している代わりに他の教科が落第点だと、日本の教育は駄目な教科を引き上げようとして、突出している教科まで駄目にしてしまう。受験と、大学で良い成績を取って一流企業に就職する為が全てになっている日本の教育の弊害だろう。私立で、「一切就職向けではありません。自分で起業したい人だけ来て下さい」という事を大々的に唱う大学があればと思う。教授陣も、国内外の実際に起業したトップを中心に生きた講義を出来る環境を作り、日本のスペシャリストや起業家を生む環境を作るのがもう一つの夢だ。

今までの成功と失敗を考えた場合、今の自分に出来る事は何だろうかと考えた。長年携わって来たのは言うまでもなく海外との取引であり、ブランドの育成である。その結果、自分が歩んできた中で海外との取引をスムーズに進める為に、何が必要か?外国人の基本的考え方や、付き合い方、彼らの日本人に対するスタンスはどうか?また何が重要か?そして、私が経験した失敗をしなくて済む様にする為に何をすべきか?気を付けるべきか? こういった生きた情報を通して、時計以外の事も含め貿易業務やブランドを育てていく事を外部の方々にも積極的に伝え、それらの方々の業務に役立てて貰う事が出来れば、恐らく今までやってきて作り上げたDNAを後に伝えることになるのではないかと思う。さらには前に書いた自分の夢が叶うように、またその方向に向け進み出せる様に、自分の力で何処まで出来るか判らないが、幸いにも元社員で直接、間接に応援して、手伝ってくれている人たちが居る。彼らの力や頭脳も借り、少しでも役に立てる仕事が出来ればと思っている。


後記:
私のとりとめのない100のコラムに長い間お付き合い下さり、誠にありがとうございました。
今後自分たちが仕事や個人の繋がりを通じて、少しでも皆様との大切な関係を深めて行けることを願い、私のコラムを終了させていただきます。(2012年校了)